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一般相対性理論

双子のパラドックスの解決 その2

前回からの続き。 さて、双子が再会するためにはどうすれば良いだろうか? これは双子のパラドックスそのものである。状況を次のように設定しよう:弟は地球にいて、兄はロケットで地球を出発し宇宙を旅してまた地球に帰ってくる。弟から見ると、兄は地球を…

双子のパラドックスの解決

条件:慣性系S, S'(便宜的にSには弟が、S'には兄が付いているとする。ただし兄弟の年齢は等しいとする。)があり、S'はSからみてx軸正方向に一定の早さvで運動している。 SからS'の原点に置かれている時計を見ると、その進みはSの原点に置かれている時計よ…

特殊相対論とリーマン幾何学;一般ローレンツ変換の視点から

特殊相対論は慣性系間の座標変換をローレンツ変換に取ると述べた。前の議論では慣性系Sのx軸正方向に慣性系S'が速さvで等速直線運動している場合のS→S'のローレンツ変換を紹介した。 ここでようやく一般のローレンツ変換の定義、あるいはローレンツ変換を特…

一般相対論とリーマン幾何学の関係;座標系の視点から

この記事で、ニュートン力学と特殊相対論における座標系概念の話をしたが、ニュートン力学も特殊相対論も、外部環境(詳しくは空間とはなにか)をユークリッド空間でモデル化していることは共通であった。 しかし、一般相対論では、外部環境を非ユークリッド…

ニュートン力学、特殊相対論における座標系概念

座標系とは巨大な情報収集系であると考える。 ニュートン力学における座標系概念 空間全体に直交座標系を導入し、それによって空間の各点に数の組からなる座標を割り当て、また、各点に同期した時計を配置しているシステム全体が座標系である。そして空間内…

空間とはなにか

我々は身の回りを取り囲む環境(外部環境)から「位置」とか「距離」とかいう(直感的な)幾何学的概念を抽象化して「空間」、特に普通の意味では「三次元ユークリッド空間」という概念を考える。我々はこの概念を外環境のモデルとして用いて、日常的にも理…

特殊相対性理論

特殊相対性理論は1905年にアインシュタインによって発表された。この理論は動力学だけではなく、運動学にも大きな衝撃を与えた。(個人的な意見では、特殊相対論の本質は運動学の変革、修正にある。動力学の修正は運動学の修正から特殊相対性原理を通じて自…

ニュートン力学

空間にx, y, z軸からなる直交座標系を導入し、空間の各点に直交座標を割り振る。質量mの物体の理想化である質点という概念を考え、その運動をこの座標系によって記述する。(絶対)時間というパラメーターtを導入すれば、質点の運動を曲線 \( r(t) = ( x(t),…